2020.11.05
家づくり情報

エアコンの冷暖房能力の計算

社長 伊藤明

こんにちは!

西尾市のイトー工務店 代表の伊藤明です。

 

今日は、エアコンの冷暖房能力について

ブログで書いていこうと思います。

 

冷房や暖房を電化製品屋さんで選ぶとき、

お店の人にお話しを聞くと、

必ずお部屋の畳数に合致した、

〇〇畳用エアコンをすすめられると思います。

 

私たちも新築を建てさせていただいたお客様が、

家電屋さんでエアコン購入をする時には、

「伊藤さん、何畳用を買えばいいですか?」と

質問をいただきます。

で、その時に

お部屋の畳数よりも小さな畳数をお伝えすると、

「お店の人は大き目の方が良いって言われるんですが…」

と言われます。

家電屋さんやカタログについている、

〇〇畳用というのは、

基本的に、昔々に建てられた、

無断熱の住宅で容量計算がなされているものです。

 

ですので、

断熱のグレード、仕様によって、

現在、計画している住宅では、

容量オーバーになる事も多くあります。

 

特にリビングのエアコンは、

例えば20畳くらいあるリビングに、

何も考えずに20畳用のエアコンをつけるのは、

もったいないのです。

 

また、20畳のリビングと家電屋さんに伝えると、

「これからの夏は、もっと暑くなると思うので、

24畳用くらいを付けておいた方が良いのでは?」

というアドバイスをもらったりするそうですが、

冷暖房負荷の計算もせずに、

安易にエアコンを大きくするなんていうことは、

まったく必要ありません。

 

特に、私たちのような、

HEAT20という基準で評価される、

G1グレードやG2グレードの家を建てていただいた場合は、

暖房負荷を計算すると(計算式は割愛します)

だいたい、40坪くらいの家でも、

14畳用のエアコン1台で家中を温めることに

成功しています。

 

しかも、太陽の熱をうまく部屋内に取り入れる

「日射取得」を利用してお部屋の設計をするので、

冬でも太陽が出ている昼間は、

暖房無しでも過ごせるくらいの住環境がつくれます。

冷房に関しても、

冷房負荷の計算と、

容量算定の計算式というものがあって、

その計算をしていくと、

家電屋さんのオススメしてくれる

エアコンの容量は、

過剰な容量だということがわかります。

 

冷房の計算は、

特に複雑なので、ブログでは書きませんが、

何Kw必要かというのは、

実は計算式で出せます。

 

ただ、

これはあくまでしっかりと

断熱と気密を考えた上での住宅の事なので、

断熱が入っているのか入っていないのかわからない

住宅を建ててしまうと、

家電屋さんの言われる畳数を入れることが

大切かもしれませんね。

 

もしも今、家づくりをしていて、

断熱をどれくらいにしようか迷っている方は、

こんな考え方もしてみてくださいね。

断熱スカスカなおウチと、

高断熱なおウチとエアコンの費用の計算シミュレーションを

してみたいと思います。


ちなみに、エアコン金額は某家電量販店の

WEBサイトを参考にしているので、

実勢価格はもっと安いかもしれません。

(ただ20畳を超えた所から、家電屋さんもすごく高いです)

 

【断熱スカスカ住宅】

エアコン台数:リビング・寝室・子供部屋×2の4台

リビング18畳に対し、ちょっと大きめアドバイスにそって、

23畳用を家電屋さんで購入すると、

だいたい230,000円、

寝室8畳に対し、ちょっと大きめアドバイスにそって、

10畳用を家電屋さんで購入すると、

だいたい130,000円、

子供部屋6畳に対し、ちょっと大きめアドバイスにそって、

8畳用を家電屋さんで購入すると、

だいたい100,000円×2台

合計すると、560,000円

これが、14年くらいで買い替えするとなると、

むこう50年暮らすとするなら、3回の買い替えで、

560,000円×3回=1,680,000円

 

【断熱しっかり住宅】

リビングは14畳用で150,000円

寝室は6畳用で80,000円

子供室も6畳用で80,000円

150,000円+80,000×3台=390,000円

むこう50年暮らすとするなら、3回の買い替えで、

390,000円×3=1,170,000円。

 

比較してみると、

50万円の差額がうまれるわけです。

だとしたら、

先に50万円で建物を高断熱化したほうが

良いと思いませんか?


高断熱化すると、エアコンの使用頻度などで、光熱費もかなり変わり

エアコンの価格面での差額以上の差が

おそらく出ると思います。

  

このようにして、

のちのちの買い替えの事まで考えて

エアコンは選ぶことが大切です。

 

また、ぜったいにやってほしくないなぁと

思うのが、

今、世間で話題になっている、

全館空調システムといわれるものです。

イニシャルコストも150万円以上もするし、

エアコンの交換やダクトの交換でも、

100万円以上すると言われています。

これはいけません。

 

とくに子育て世代のご家族にとって、

家づくり後から15年くらいというと、

大学費用や高校の費用がちょうど

かかってくるタイミングですよね。

 

だから、15年後くらいに、

お金が捻出できるように、

家づくりをする事が大事ですね。

 

ではでは今日はこんな感じです。

もっと詳しく知りたい方は