2020.12.09
家づくり情報
エコ住宅豆知識

サッシの性能ってどこまで上げればいいの?

社長 伊藤明

こんにちは。

西尾市のイトー工務店の伊藤明です。

最近、寒くなってきたこともあって、

エコ住宅になぞって換気のお話を結構してきたましたので、

今日はエコ住宅のつながりで、

窓の性能について触れたいと思います。

窓の種類は大きく分けると、3種類あります。

1 アルミサッシ

2 アルミ樹脂複合サッシ

3 樹脂サッシ

4 木製サッシ

こんな感じです。


ここにガラスの種類まで入れると

とんでもない数になります(笑

というのは、 ガラスも

1 単板ガラス

2 ペアガラス

3 ペアLow-Eガラス

4 ペアLow-Eガラス アルゴンガス入り

5 真空トリプルガラス

6 トリプルガラス アルゴンガス入り

7 トリプルガラス クリプトンガス入り

こんな感じでサッシよりも種類が多いからです。

YKKapさんとLIXILさんの商品からピックアップしています。


この中で、サッシ枠とガラスを組み合わせて、

サッシの性能というのは、出されています。

最近の住宅ですと、

2021年4月に温熱の説明義務化の事等もあり、

アルミサッシの単板ガラスというのは、

ほとんど使われることはなくなり、

少なくとも、アルミ樹脂複合サッシに

ペアガラス、またはペアガラスにLow-Eガラスが

スタンダードとなってきました。


私の実家が約25年前に家を建て替える頃なんて、

アルミサッシにペアガラス仕様で建てたら

「ペアガラスで建ててるんですね!」と、

お客様からペアガラスを褒められたものです。

これくらいに住宅業界の

温熱に対する意識というのは

年々ステップアップしてきて

変わってきたといっていいと思います。

今では、エコな住宅を建てる際には、

窓の性能を高めることは必須となっているので、

私達は、

エアコン一台で家の中を冷暖房できるようにする

「エコ住宅」では、

LIXIL製のエルスターSという、

樹脂サッシLow-Eガラス以上のものをつかうようにしています。

また、もっともっと、それ以上を求められる場合は、

YKKap製の樹脂サッシAPW430のトリプルガラスに、

クリプトンガスの仕様を計画します。

こんなにも窓の種類がいっぱいあるってことは、

よほど家に重要な影響を与えてくるんだろうと思われるとお思います。

じゃぁ、窓の性能が一体どれくらい住宅に

影響してくるのか?

そこに触れておきたいと思います。

窓が家に影響を及ぼす割合、

要は、夏なら熱が窓から入ってくる、

冬なら暖気が窓から失われていく、

その量をパーセンテージで表すと、

夏:73%

冬:58%

と言われています。

(松尾和也先生のホントは安いエコハウスより)

窓の影響力が大きいことがこの数字からわかりますね。

このように、窓の選びかた=住心地に直結します。

最近では、コロナウイルスのこともあって、

休日に家にいる機会が増えていることもあって、

窓の性能は住心地だけでなく、冷暖房費にあたる光熱費に

直結してきます。


さて、では窓の枠の種類とガラスの種類によって、

どれくらいの性能差が生じてくるのか、

数値的なことのご紹介もしておきます。

窓の性能をUA値という単位をつかって表します

このUA値というのは、熱の通しやすさを数値で表したもので、

数値が小さければ小さいほど、

熱を通しにくいと解釈してください。


商品名サッシガラスガススペーサーUA値(W/㎡K)
YKKapAPW330樹脂Low-Eペアアルゴンアルミ1.37

APW330樹脂Low-Eペアアルゴン樹脂1.31

APW330樹脂Low-E真空トリプルアルゴン樹脂0.99

APW430樹脂Low-Eトリプルアルゴン樹脂0.90

APW430+樹脂Low-Eトリプルアルゴン樹脂0.84

APW430+樹脂Low-Eトリプル
クリプトン樹脂0.78
LIXILサーモスLアルミ樹脂一般ガラスペア
空気アルミ3.49

サーモスLアルミ樹脂Low-Eペア
空気アルミ2.33

サーモスXアルミ樹脂Low-Eペア
アルゴン樹脂1.52

サーモスXアルミ樹脂Low-Eトリプルアルゴン樹脂1.11

サーモスXアルミ樹脂Low-Eトリプルクリプトン樹脂1.03

エルスターS樹脂Low-Eペア
アルゴンアルミ1.33

エルスターS
樹脂
Low-Eペア
アルゴン
樹脂1.27

エルスターX樹脂Low-Eトリプルアルゴン樹脂0.91

エルスターX樹脂Low-Eトリプルクリプトン樹脂0.79


このような表でリスト化することができます。

LIXIL製も、YKKap製も

どちらも、サッシ枠種類とガラスの種類が同じ感じであれば、

そこまで大きく変わってきませんが、

最大の性能を見てみると、

YKKap製のAPW430+というものが最も

UA値が小さくて、熱を通しにくいことがわかります。

これは、

通常、サッシの枠の中の構造を見ると、

何層にも別れた空気層があって、

その空気層が多ければ多いほど

断熱性能が高いとされてきたのですが、

この空気層の中に、断熱材をいれてしまったものが、

このAPW430+になるのです。

確かに、ここまでくるとトップの性能というのも

納得がいきます。

ですが、ここまでの性能を誇ると、

性能も抜群ですが、値段も抜群です(笑)

市場への普及率も低いのもあり、

ここにこれだけお金をかける必要があるかどうかは、

真剣にお財布と相談が必要となります。

どうしても住宅の性能が現行のトップをいかなければ気がすまない!!!!

という方は、このAPW430+をご選択いただいても

良いかも知れませんね。


ちなみに、先ほど書かせていただきましたが、

もう一度お伝えすると、

私達イトー工務店がおすすめしてるのは、

あまり断熱にこだわり無く、国の基準値を下回るくらいがいい

という方には、リクシル製のサーモスLを、

HEAT20のG1グレードやG2グレード、またはZEH住宅の方には、

リクシル製のエルスターSやAPW330を、

設定してご提案するイメージです。

来年に発表されるであろうG3グレードの場合は、

徹底的に断熱性能を高めるので、

APW430+がここで登場します。


イトー工務店の建物名断熱の基準・グレードサッシメーカー商品名
高品位住宅 国の定める基準
LIXILサーモスL
エコ住宅G1・G2・ZEHLIXILエルスターS
エコ住宅(最高グレード)G3YKKapAPW430+

ここまでサッシの性能をつらつらと書いてきましたが、

性能が高ければ高いほど住宅の価格も同じように、

またはそれ以上の割合で上がります。

本当に大切なことは、

良い性能の家を手に入れることではなく、

住心地と光熱費、そして支払っていく住宅ローンの

バランスの良い割合いで、

これから先、何十年どんな人生を家族とあゆんでいくかだと思います。

ですので、とにかく高みを目指していくのではなく、

この西尾市を含めた西三河の気候で、

どれくらいの温度感で暮らしていきたいのか?

どれくらいの性能にしたら、光熱費がどう変化していくのか?

ここが重要なポイントのように思います。

そこから考えていくと、

ある一定の数値まで家の性能を高めていくと、

エアコン1台で、冷暖房ができるようになるポイントに

さしかかります。

性能に力を入れるなら、

そこまで性能を持っていくことが大切ではないかなぁと感じています。

その数値がだいたい住宅のUA値0.45前後になってきます。

実際にイトー工務店のエコ住宅が0.4〜0.5くらいのUA値に

なってきます。


ここまでサッシ含め、断熱材等で性能をもっていくことができると、

冷暖房器具であるエアコンのイニシャルコストが下がり、

14年位あとにくる冷暖房の買い替えコストも少ない台数になるので、

メンテナンスコストが下がり、

光熱費もしっかりと下がるため、

コストバランスは非常に高いように思って、

エコ住宅をおすすめしています。


コストバランス、コストパフォーマンスを考えた家づくりを

ぜひとも行っていただくためにも、

これから家の性能について、

今後家づくりをされる方には考えていって

いただきたいと思います。

性能を高めすぎてもコストバランスは正直良いとは

言い切れないので、何回も言ってしまいますが、

コストバランスの良い家づくりを行ってください。


今日もありがとうございました!

イトー工務店のモデルハウスを見てみたい方は