2020/10/07
家づくり情報
家を長持ちさせるなら結露計算で耐久性を確かめるのが重要!
みなさん、こんにちは!
イトー工務店 代表の伊藤明です。
朝晩が寒くなりましたね。
今朝は特に寒くて、
薄着で寝ていたら寒さで目を覚ますくらいでした。
そろそろ冬場に向けて衣服や生活を
少しずつかえないとなぁ…
そんなことを思いました。
寒くなる日に向けて、
家づくりもあまり有名じゃないけど寒さに対し、
超重要な耐久性の情報をお届けします。
あなたは「結露」ってご存知ですか?
夏場コンビニでペットボトルのジュースを買って、
外に出るとペットボトルの表面が
ビッチャビチャになるアレです。
冬場のあったかいアパートの室内のガラスが、
びちょびちょになってるアレです。
結露は、温められた空気に含まれる水蒸気が、
冷えたものの表面に触れると、
一気に温度が下がり水になる現象のことを言います。
結露って嫌ですよね。
窓はカビるし、
カーテンに水滴が付けばカーテンもカビカビ。
いやですよね~。
なので、最近は結露が起きないように、
窓も開発が進んで、
樹脂窓や、アルミと樹脂の複合窓がうまれ、
ガラスも2枚ガラスのペアガラスというものが出て、
窓の結露が起きない為の対策がなされてきました。
私たちのエコ住宅なら窓結露はまぁほぼほぼしないだろう!
と言えるくらいにまで窓については発展しています。
しかーーーし!
結露の心配をするのは、
窓だけではありません。
実は、壁の中でも結露していることがあるというのをご存知でしたか?
そして、この結露が、
家の耐久性を著しく落としているという事実も
ご存じでしょうか?
これを壁体内結露(へきたいないけつろ)と言います。
結露が壁の中で起きると(壁体内結露)、
壁の中でカビが生えたり、
木材を腐らせる腐朽菌というものが発生します。
そうすると、
壁の中で、どんどんおウチが劣化して、
耐久性が低下していきます。
すると、知らないところで柱が腐っていたり、
シロアリが食い散らかしてきたりします。
怖いですね。
そして、そんなときに大きな地震が来ようものなら、
どんなに耐震性能を上げた住宅を建てていたとしても、
耐久性の下がった腐った柱の家が
地震を支えてくれるはずがありません。
耐震性能は、あくまで丈夫な柱、丈夫な壁など、
家の耐久性という基本があっての事です。
なので、おウチを大きな地震から守りたいのであれば、
実は耐震性能を上げる前に、
家の壁体内結露のリスクを下げて耐久性を上げる
というのが正しい順番です。
ただ、何年も昔に私こんな風に思ったんです。
「え?壁の中で結露なんてどうやっておこるのさ?」って。
今も、そう思ったかたいらっしゃいませんか?
壁の中の結露が起こる仕組みとしてまず先に、正常な壁の説明していくと、
- 室内の空気がクロスを抜けて、壁を抜けていきます
- 断熱材を通り抜けて、透湿防水シートを抜けていきます。
これが正常な空気の通り抜けです。
この時、空気中に含まれる水蒸気も一緒に通り抜けていきます。
え?クロスや壁、断熱材も空気って通り抜けるの??って思いますよね。
そう、通り抜けるのです。
それが冬場の結露する壁ではどうなるかというと、
- 冬場は室内が温められて、外気がとっても冷えています
- 室内の温かい空気に含まれる水蒸気がクロスを抜けて、壁を抜けて断熱材を通り抜けようとします。
- 外部の透湿防水シートで水蒸気を外に抜くはずが、冷え冷えの場所があると、そこで水蒸気から水へ変わります。
- 結露発生!断熱材も防水シートも、水蒸気のような細かい粒子は通しても目に見えるような水は通しませんから、結露したままそこにとどまります。
- 行き場の無い水が日に日に増えて、カビやシロアリ、腐朽菌を呼び寄せ、腐り耐久性を損ないます。
こんな感じです。
実は、この耐久性を落とす劣化現象は
結構多くの住宅で起こっています。
特に、耐震性能を高める耐震パネルを
何も考えずに使用していると、
壁の中で結露がほぼ必ず発生します。
なぜ知っているかというと、
私たちは、壁の中で結露が起きないかどうかを
結露計算ソフトを使って常に確かめているからです。
こちらをご覧ください。
これがイトー工務店の
今後の住宅に使用する予定の壁の中の結露計算です。
これは壁の断面で分かりやすく結露リスクを表したソフトです。
左側が室内、真ん中が壁、右側が屋外という感じです。
図にも書きましたが、赤い線が露点といって、
空気の温度がその温度以下になると、
結露するという点です。
そして青色の線が、
室内から外に向けての温度のラインです。
この赤と青の差が大きければ大きいほど、
壁の中の結露リスクが少なくなります。
ですので、イトー工務店の壁の中は結露しません!
そして、何も考えずに外に耐震パネルを使った
結露計算の結果をご覧ください。
見事に壁の中で結露が起きていますね。
よく、リフォーム工事の写真とかで、
壁の中の断熱材が黒くなってカビカビになっているの
見たことありませんか?
アレの正体は、この結露が引き起こした結果です。
外部に耐震面材を何も考えずに使うと、
外部の耐震面材がキンキンに冷えて、
壁の中の外周に近い方の断熱材の温度を下げます。
そして、温度の下がった断熱材や
キンキンに冷えた耐震面材に空気が触れると
空気の温度が一気下がり、含まれている水蒸気も、
水へと変わり、ジャバ~っと、結露するという仕組みです。
ただ単に耐震パネル使ってるから耐震性能が高いと
おっしゃってるメーカーさん多いんですが、
耐震パネルを使っているが故に、
建物の耐久性、長持ち度を下げる羽目にもなりますし、
耐震性能が高いと信じて疑わなかったのに、
地震が来て、壊れてしまうという可能性もあるのです。
イトー工務店では、
家づくりの材料選びを、様々な目線で考えています。
本当に安心して住んでいただける家の優先順位って何か?
耐震性能か?(当然重要です)
いえ、その前に絶対に耐久性です。
いかがでしょう?
今日は少し家の耐久性についてのお話しをさせていただきました♪
また、分からない事があればいろいろとイトー工務店へ
ご質問くださいね。
ありがとうございました。