2024/12/21
二酸化炭素濃度について
イトー工務店がエコ住宅を本格的に取り入れてかなりの期間が経ちました。
兵庫県明石市の松尾設計室 松尾和也先生に高気密高断熱住宅を教わるようになり、
何度もエコ住宅の性能向上などの講座を受講して、
現在、多くのエコ住宅を西尾市近隣で建築をさせていただいております。
そんな高性能住宅のプロとして、
今日は二酸化炭素についてお伝えしていこうと思います。
イトー工務店では、室内の二酸化炭素濃度を二酸化炭素計で計測しています。
それを行っていく中で、知識として覚えるだけではなく、
ある程度、実行してきたことで二酸化炭素について分かってきました。
エコ住宅を学んできたことで、
二酸化炭素濃度計まで購入してしまう私は結構こだわり派だなと感じます。
目次
二酸化炭素計とは?
二酸化炭素濃度計はAmazonなどで色んなものが売られていますが、
イトー工務店では、このタイプの計測器で私のデスクにて使用しています。
ちなみに、イトー工務店では灯油のストーブをつかって、
事務所を温めており、打合せに使っているスペースはエアコンにて空調しています。
よく、灯油ストーブだと、
数時間に1回、換気をするためのアラームが鳴ると思いますが、
ストーブで暖をとっている方はきちんと換気されていますか?
イトー工務店では、二酸化炭素濃度が高くなると、
換気をするようにしています。
というのも、強めの灯油ストーブで暖房すると、
数時間で4,000ppm近くまで二酸化炭素濃度が上昇します。
これはちょっと高いです汗
ここで二酸化炭素濃度をあらわすppmが出てきましたが、
目安数値もお伝えしますね。
■屋外の二酸化炭素濃度
屋外の二酸化炭素濃度は、だいたい400ppmから500ppmと言われています。
この数値が一般的な”新鮮な空気”と言われる二酸化炭素濃度です。
都会の方にいくと、もっと二酸化炭素濃度は高いと聞きますが、
西尾市は田舎ですので、結構低めだなって感じます。
特にこの写真のように道路から離れた所で計測すると、
400ppm近くくらいになります。
これが車道の近くになると450ppm~500ppmくらいになります。
ちなみにネット等で出ている二酸化炭素濃度が濃い時に出る症状ですが、
表にまとめるとこんな感じです。
二酸化炭素濃度(ppm) | 症状など |
1000以下(低め) | 許容範囲 |
1500以下(普通) | オフィスなどの基準値 |
2000以下(やや高め) | 頭痛や眠気 |
5000以下(高い) | 頭痛や眠気、倦怠感などの体調不良が続出 |
5000以上(非常に高い) | 心拍数の増加や血圧の増加など健康被害が発症 |
こんな感じに言われます。
目に見えないけれど、高いと健康被害を引き起こすと思うと、
慎重に考えなければいけない数値ですね。
ちなみに私の昔の経験ですと、
ある年の冬、寒いからということで、
家族4人で密閉した部屋で寝ていた時期に、
朝、起きると頭痛がするという症状がでていました。
妻と娘2人が夜中に呼吸をするので、
当然二酸化炭素濃度は上昇します。
二酸化炭素濃度を計測したら朝の時点で2000ppmを超えており、
もしかしたら原因は二酸化炭素か?と思って、
襖を3cmほど開けて寝るようにしたら、
頭痛が収まったという経験があります。
開けて寝るようにしてからの二酸化炭素濃度は1,200ppm程度でした。
おそらく、頭痛の原因が二酸化炭素にあったのではないか?と、
私は予測しています。
■イトー工務店 打合せ室
ちょっと画像が用意できませんでしたが、
イトー工務店の打合せ室の二酸化炭素濃度は、だいたい平均的に500ppm~600ppm、
打合せ中の人が4人以上いるとおおよそ1,000ppm程度くらいになります。
■事務所スペースでストーブを消して30分後
ストーブを消して、10分間換気をした後の事務所スペースの二酸化炭素濃度は、
だいたい2,000~2,500の間です。
もっと換気して二酸化炭素濃度を下げたいのですが、
寒い冬の時期は換気している間に室温がドンドン下がって寒いので、
我慢ができず換気終了です^^;
高気密高断熱住宅の二酸化炭素濃度
弊社の高気密高断熱住宅として建てたモデルハウスの二酸化炭素濃度は、
だいたい日常で500ppm前後です。
外気の二酸化炭素濃度とそんなに変わりませんね。
打合せなどで人数が4人前後の時期だと、
リビングの濃度計で800ppmを切るくらいになり、
人が居なくなるとスムーズに500ppm前後まで戻ります。
この写真の場合だと、
お昼くらいの時間に部屋の人数が増えて二酸化炭素濃度が最大で760ppmまで上昇。
その後、14:00から再度打合せで人数が増えていますが、
この時でも600ppm前後となっており、
健康的な二酸化炭素濃度の1000ppm以下を保っています。
これが、換気がうまくいっているという証拠です。
おウチのご家族の暮らし方にもよりますが、
二酸化炭素濃度は前述した1,000ppmよりは下がっていた方が良いという指標があるので、
目指すところは1,000ppm以下でしょう。
換気がうまくいっていると、
家の中に、その家庭のどくとくの臭い?香り?が残らないという
良い効果もあります。
昔、お友達のおウチに行ったら、
そのおウチの独特の香りってありませんでしたか?
それは換気がうまくいっていなくて、
臭いがついてしまった状態ということだそうです。
一種換気が良い?三種換気が良い?
この問題は、建築業界で最近はよく話題にあがりますね。
私の結論で申し上げると、
基本的に三種換気をおススメしています。
理由としては、まずイニシャルコストとメンテナンスコストが
圧倒的に安いです。
そして、高気密高断熱住宅のモデルハウスで体感していますが、
三種換気で心配される、
・きちんと二酸化炭素が換気できているのか?
・三種換気だと不快感があるのではないか?
という世の中の疑いは、おそらく一種換気を使っているメーカーさんの
陰謀だと思うくらい換気はしっかりしているし、不快感もありません。
ですので、光熱費、メンテナンス費、イニシャルコスト(機械代)など、
多くのお金がかかっても良いから快適性を更に更に重視するという方は、
一種換気でも良いかもしれませんね。
一種換気を24時間、365日動かすのに、
年間で10,000円以上の光熱費がかかります。
また、機械なので10年程度でメンテナンス費用がかかりますし、
おウチを建てる際に機械代金が40万円~50万円程度かかります。
その代わり、おウチに入ってくる空気を夏は、
暑い空気をぬるく、冬は冷たい空気をちょい温めくらいで、
運んできてくれます。
でも、一種換気を使っているハウスメーカーさんが言うような、
数年でモトがとれるということは絶対にありません。
換気で失う温度を空調費の電気代に換算するだけならモトがとれますが、
換気機械の稼働費、メンテナンス費、機械代金まで入れたら、
いつまで経っても一種換気のモトは取れません。
まとめ
二酸化炭素について今日はお伝えしてきました。
もしこれから家づくりをされる方は、二酸化炭素の濃度まで気を付けていただければ幸いです。
二酸化炭素濃度が上がると、頭痛や吐き気、めまいが起きるということも、
学術的にわかってきている事なので、
ご家族の健康維持の為にも、そこまで気づかった家づくり計画を是非行ってください!
ただし、「三種換気はきちんと換気してくれないので一種換気がおすすめです」
というセールストークには絶対に騙されないでくださいね。
もしも、詳しく家づくりについて知りたいという事があれば、
イトー工務店にお話し聞きにきていただけますと幸いです。