土地を買うことから家づくりがスタートする方は、
土地をすでに持っていらっしゃる方よりも慎重に家づくりをしなければいけません。
なぜなら、失敗するリスクが土地購入からの方の方が高いからです。
イトー工務店として、過去40年以上土地購入からの家づくりのお手伝いをさせていただいてきて思う事は、
土地購入から家づくりを始める方は準備がまだまだ足りていないという事に尽きます。
どうしても、「土地がないからまずは土地を探さないと…」と不動産屋さんをまわってしまいがちですが、
不動産屋さんをまわるのはまだまだ先のこと。
先にやっておかなければならない事があります。
その準備段階から順序立てて、ここでは「一番良い土地と巡り合う為の方法」をお伝えします。
過去、私の知っている土地探しの失敗例をご紹介します。
この方は、まずは土地がなければ話が始まらないと、土地探しを長期間してこられました。
「絶対に失敗したくないから土地は慎重に選びたい」と考えて・・・。
あるとき、良い土地がようやく出てきました。
すぐにでも購入したいと思ったので不動産屋さんに購入の意をあらわして、
土地表記を「商談中」にしてもらい他の人に売られない待ってもらう事にしました。
土地を買う為に住宅ローンの申請をしようと金融機関へ行ったら、
「土地だけでローンの受付はできません。建てる会社に間取りと見積をつくってもらってください。」
と言われてしまいました。
不動産屋さんの取り置きの期限は1ヵ月(※注 不動産屋さんによって違います)。
その間に間取りと価格を整えてローンの申請しなければ...。
焦って住宅会社に駆け込み、急いで間取りと見積をつくてもらいました。
土地購入には間に合ったのですが、
焦ってつくった間取りが満足のいくものになるはずがありません。
土地探しにこだわりすぎたこのご家族は、本当にこだわりたかった間取りや住宅の仕様、
設備などをゆっくりじっくり検討することができずに家づくりが終わったそうです。
その後、この方のリフォームで弊社が関わる事になり、
この事を教えていただいた、というお話しです。
このお話しを聞いてみていかがですか?
こんな家づくりがしたいですか?
したいという方は今から不動産屋さんへ駆け込んでいただければ良いと思いますが、
土地選びからの家づくり、絶対成功したい!と願うのであれば、
これからお話しすることを守って家づくりを進めていただければ幸いです。
土地購入から家づくりをされる方は、必ず資金計画を行い、総予算を先に出すことです。
この総予算も、将来のご家族がなりたいイメージに沿った資金計画であるべきです。
絶対にやってはいけないのが、不動産屋さんや銀行さん、大手ハウスメーカーがいう
「年収〇〇万円だったら借入は△△万円までいけますよ!」という言葉に踊らされて資金計画しまうことです。
例えば、ここに2家族いるとしましょう。
片方はお子さんが1人、もう片方は2人のお子さんのいる家族がだっとします。
この2家族が、まったく同じ年収だったとして、将来係る費用が同じだと思いますか?
まったく変わってきます。
だから年収だけでは資金計画は成り立たないのです。
資金計画は年収から住宅ローン借入額を算出するのではなく、将来設計を立てて計画をしてください。
詳しくはこちらのライフプランをご覧ください>>>
ポイント① 土地価格 + 建物価格 = 総予算 という計画を立てない!
ポイント② 家族の未来予測から逆算して総予算を決める!
次に行うのが、どんな暮らしをしたいか?を考えて大まかに間取りを考えておくことです。
どれくらいの坪数が必要なのか?何部屋欲しいのか?どんなこだわりルームが欲しいのか?
また、どの方角に向けたいのか?庭は欲しいのか?
などを考えてラフプランニングをしてみることをお勧めします。
ある程度、プランニングをしてみると、家の形や大きさ、そして概算の価格がわかります。
建物価格がある程度明確になると、
そこから[総予算ー概算建物価格=土地購入可能額]という式が成り立ちます。
しかも欲しい家がある程度具体的になっているので、
土地をやみくもに探すのではなく、土地の方角や道路方向、広さ、価格などで絞り込みながら
土地を選ぶ事ができるようになり効率があがります。
ポイント③ ざっくりと間取りを考えて、土地の広さ、価格、形、方角、道路方向、を絞り込めるようにする!
ポイント④ 総予算 ー 概算建物価格 = 土地購入可能額 という計画でうごく!
いよいよ土地を選ぶ準備がととのった・・・と思いがちですが、
もう一つ決めておく必要があることがあります。
それは、建てる工務店を決めることです。
土地を購入して家を建てる際、様々な法律や条例が関わってきます。
広さや形は自分達にピッタリだと思っても、
思いがけない法律や条例のせいで思い通りに建てる事ができない、という可能性もあります。
土地の契約をする前に、
不動産屋さんから重要事項説明書という重要書類が発行されて説明も受けるのですが、
初めて土地を探す方が、
この重要事項説明書に記載があることを全て把握できるという事は難しいでしょう。
不動産屋さんは土地の専門家であって、家づくりの専門家ではありませんから、
法律や条例の読み上げ説明はしてくれますが、あくまで読み上げるのみ、決まり事の説明にすぎません。
「この土地は大丈夫です」や「この土地だと思い通りの家は建ちませんよ」と
判断を手助けしてくれるパートナーは建築会社になるので、この段階で建築会社を決めましょう。
ポイント⑤ 土地の良し悪しを的確に判断してもらう家づくりの専門家を味方につける
ここでいよいよ土地を選び始めます。
この時、必ずご自分で情報収集をすることを心がけてください。
パートナーとなった工務店も良い情報があれば紹介してくれると思いますが、
ご自分の住む土地ですからここは手間を惜しまずに情報収集しましょう。
今ではインターネットなどでも情報サイトなどに土地情報が出ていますので、
いろんなサイトを見てまわりましょう。
そうすると、だいたい土地の相場観や土地情報の見方に慣れてきます。
そして、気になる情報があったら、実際に足を運んでみたり、
パートナーの工務店に相談をもちかけたりして購入に向けて動きましょう。
ちなみに、ここでのポイントは、良い土地を「探す」というより、
出ている情報の中から「選ぶ」というスタンスが大切です。
いつかいい土地がでてくるだろう・・・と思っていても、
それがいつなのかわかりませんし、これだけ物価変動の大きな時代ですから、
いい土地が出てきた時には建物価格が100万円以上変わっているという可能性も否定できません。
ポイント⑥ 自分で土地情報をあつめて自分の力で選ぶ!
ポイント⑦ 土地は「探すもの」ではなく、「選ぶもの」
良い土地があってもすぐに契約するのは時期尚早です。
この土地にどんな家が建つのかをパートナー工務店に具体的に計画してもらいましょう。
その中で必ず行わなければいけないのが、「日当りシミュレーション」です。
特に南からどれくらい日が当たるかという問題は、
将来の家の光熱費に大きくかかわってきますし、
そもそも家の中が暗い生活なんてしたくないですよね。
もしも南に大きな建物が将来的に建つ可能性があるなら、
建つ前提で日当りシミュレーションを行って、
南に建物が建っても家の中が明るくできる方法を考えてもらいましょう。
ポイント⑧ 日当りシミュレーションをおこたらない!
いかがでしたでしょうか。土地を選ぶ準備や大切なポイントをまとめました。
復習ですが、土地選びのポイントは8つ!
ポイント① 土地価格 + 建物価格 = 総予算 という計画を立てない!
ポイント② 家族の未来予測から逆算して総予算を決める!
ポイント③ ざっくりと間取りを考えて、土地の広さ、価格、形、方角、道路方向、を絞り込めるようにする!
ポイント④ 総予算 ー 概算建物価格 = 土地購入可能額 という計画でうごく!
ポイント⑤ 土地の良し悪しを的確に判断してもらう家づくりの専門家を味方につける
ポイント⑥ 自分で土地情報をあつめて自分の力で選ぶ!
ポイント⑦ 土地は「探すもの」ではなく、「選ぶもの」
ポイント⑧ 日当りシミュレーションをおこたらない!
実際に今、土地選びで悩んでいる方や、良い土地に巡り合えそうなかたは、
ぜひ土地の専門家もいるイトー工務店へご相談ください。
宅地建物取引士の資格をもったイトー工務店代表 伊藤明がご相談に応じます。