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ARTICLE家づくりのお役立ち記事

エコ住宅に必要な7つのポイント #3 断熱を考えるpart2窓編〜

家づくりエコ住宅

エコ住宅に必要な7つのポイント #3 断熱を考えるpart2窓編〜

前回、前々回の振り返り

本当に快適で光熱費が少ない高気密高断熱住宅を建てるには、7つのポイントがあるということをお伝えしました。
7つのポイントとは、断熱、気密、日射取得、日射遮蔽、湿度、結露、換気があります。

その1つめのポイント「断熱」ですが、断熱材よりもまずは窓を考える事が重要だというところまでお伝えしました。

もしも、ちょっと忘れちゃったなぁという方は、

>>>こちらの「エコ住宅7つのポイント#2~断熱を考える①~

をご覧ください。では、今回は、窓の選び方について学んでいただきましょう。

樹脂製枠の窓を選ぶ

家でもっとも熱が逃げるのは、窓ということはお伝えしました。

そこで、このもっとも断熱として弱い窓の部分の断熱強化をすること、これをまずはじめに考えていきたいと思います。

アルミサッシ、アルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシ、木製サッシなど、さまざまな材質の種類と、シングルガラス、ペアガラス、トリプルガラスといったガラスの枚数、そして遮熱や断熱を強化するLow-Eガラスや、ガラスとガラスの間に、アルゴンガス、クリプトンガスといった性能を高める為のガスを入れるといったガラスの種類とで分かれていて、何通りものパターンが存在します。

<窓の種類分け>

①窓枠の種類

アルミ製、アルミ樹脂複合、樹脂製、木製

②ガラスの枚数

シングルガラス、ペアガラス、トリプルガラス

③ガラスの種類

一般ガラス、Low-Eガラス日射取得型、Low-Eガラス日射遮蔽型

④中空層(シングルガラスでは関係ありません)

ガス無し(Air)、アルゴンガス、クリプトンガス

⑤スペーサー

金属製スペーサー、樹脂製スペーサー

この5つで分類ができます。

窓枠の種類

まず窓枠についてですが、この西三河の断熱エリア分けの6地域で
本当に快適な高気密高断熱を建てるために選ぶ窓の材質の種類は、「樹脂製」が良いと思います。

樹脂製の窓は、アルミ製の窓やアルミ樹脂複合の窓に比べて、熱の伝わりやすさ(熱伝導率)が低く、
特に冬場に力を発揮してくれます。

メーカー製品の名称でいくと、リクシルではエルスターやEW、
YKKではAPWシリーズが樹脂製の窓になります。

 

このサッシの窓枠部分の断熱性能が低いと、冬場、外気の冷たい空気に触れた窓枠が冷えてしまい、
室内の暖かい空気の熱を奪う現象がおきます。
そのときに、窓付近の冷えた空気は、床下に下がっていくので、弱い気流現象がおきます。
これをコールドドラフト現象といいますが、この冷えた空気が下にさがることで、足元を冷やしてしまうのです。
このコールドドラフト現象を防ぐためにも、窓枠部分は樹脂製をおすすめします。

ガラスの枚数

そして、ガラスの枚数ですが、この西三河を含めた6地域は、何度も言ってしまいますが、
全国的に見ても比較的温暖な地域となりますので、私はペア(2枚)ガラスで十分良いと考えています。
トリプルガラスを選びたいという方もいるかもしれませんが、建築コストがグッと上がるため、予算に対して注意が必要です。
(予算があるなら良いに越したことはありません)

もしも、予算の事も考えて断熱性能をトリプルガラスにして性能アップしながらリーズナブルで済ませたい場合は、
南面の大きな窓はペアガラスにして、東西北面の3面の小さ目に入れる窓をトリプルガラスにするという方法もあります。

それよりも気を付けて欲しいのがガラスの枚数を3枚か2枚か悩むよりも、次にあげるガラスの種類です。

ガラスの種類

ガラスの種類については、できることならLow-Eガラスを使いたいところです。一般ガラスとLow-Eガラスとでは性能で大きな差が出てきてしまいます。

またLow-Eガラスの中でも種類が分かれているのでふれていきましょう。
Low-Eガラスには、太陽の光を積極的に室内に取り込みつつ、室内の熱を保温しようとする働きのある日射取得型(断熱型)と、
太陽の光をさ遮る役割をもつ日射遮蔽型(遮熱型)があります。
それぞれ、日射取得型と日射遮蔽型使い分けて、建物の向いている方角に合わせて、配置していくのが良いでしょう。

ここでミスしてしまいがちなのが、南面に日が昇った時は太陽の光が強いから、日がたくさん当たると思い日射遮蔽タイプに、
西面も西日がきついからということから日射遮蔽タイプ、北面と東面はあまり強い日差しがあたらないからと
日射取得タイプにしてしまうという会社さんや、4面全面を遮熱タイプにしてしまうという、
間違った考えをもった会社さんが結構いらっしゃるそうです。

 

ここで、太陽の角度と、夏の日の出方向の図を見て窓の配置を考えてみたいと思います。

ラストを見ていただくとわかると思いますが、夏場、最も高い時は太陽は78°の角度まで登ります。
そうなると、きちんと軒を長く伸ばしたり、スタイルシェード等を活用して日射遮蔽が考えてあれば、
南側からはそんなに太陽の熱は入ってきません。(ゼロとはいいませんが)

それよりも、冬場の太陽の角度を考えると、30°の高さから南側いっぱいに日を取り込もうとすれば、
かなり室内を暖かくすることができます。

このとき、遮熱型のガラスにしてしまうと、せっかく取れるはずの太陽の熱が遮られてしまい十分室内に取り込むことができません。ですから、冬にしっかり熱を取り込んで保温できる断熱型を南側には配置すると良いでしょう。

 

また、北面についてですが、夏至の北面には実は朝日が当たることをご存知でしたでしょうか?
朝日があたり続けるとかなりの熱量を受けるので、北面の窓については冬の対策よりも夏場対策として、
実は遮熱タイプにする方が効果的なのです。

 

まとめると、

  • 南面・・・断熱(日射取得型)
  • 東西北面・・・遮熱(日射遮蔽型)

にすると良いでしょう。

ガスの種類とスペーサーについて

ガラスとガラスの間の中空層と呼ばれるところの仕様です。

ここにガスを入れるか、空気層のままにするかがまず違います。
また、ガスについてですが、アルゴンガスとクリプトンガスで迷いますよね。
これも地域的な話になってしまいますが、
アルゴンガスが入っていれば、この温暖な西三河で快適な生活は送れると思います。

性能を上げる為にクリプトンガスを選びたいという方は、それはそれで良いと思いますが、
建築予算と快適な住み心地の両面からの最適化をはかるには、アルゴンガスをおすすめします。

 
最後にガラスとガラスの間を支えるスペーサーですが、これは目指している性能に合わせれば良いと思いますが、
予算が叶うなら樹脂スペーサーをおすすめします。
これは、性能の数値的な部分にも関連してきますが、それ以上に冬場の窓の結露対策で樹脂を選ばれるのをお勧めします。

 

やはり、ガラスとガラスの間が金属で繋がっていると、
外のガラスに室内側のガラスの熱を伝えやすくしてしまいます(奪われてしまう)から、
室内の熱をガラスが奪いやすい状況をつくってしまいますし、
ガラスが冷えるといことは、室内の暖かい空気とガラスの冷えが反応して、
ガラス周りに存在する水蒸気が結露化してしまうおそれが高まります。

西三河の最適組合せ例

ここまでお伝えしたカテゴリをまとめていくと、このような仕様が出来上がります。

①窓枠の種類

アルミ製、アルミ樹脂複合、樹脂製、木製

②ガラスの枚数

シングルガラス、ペアガラス、トリプルガラス

③ガラスの種類

一般ガラス、Low-Eガラス日射取得型、Low-Eガラス日射遮蔽型

④中空層(シングルガラスでは関係ありません)

ガス無し(Air)、アルゴンガス、クリプトンガス

⑤スペーサー

金属製スペーサー、樹脂製スペーサー

 

もっとも断熱性能が弱い開口部(窓のこと)だからこそ、
最適な組み合わせをしたいものですね。

今回のまとめ

今回お伝えした窓についてまとめていきたいと思います。

  1. 窓枠は樹脂を選ぶ
  2. Low-Eガラスの配置は南面を断熱タイプ、東西北面を遮熱タイプにする
  3. ガスはアルゴンガス、スペーサーは樹脂で結露対策

くどいようですが、断熱を考える上で一番大切なことは、とにかく窓です。

ここを疎かにしては、快適な住み心地が得られません。
しかし、同時に弱い部分を強化するのにはコストがかかります。
性能の良い家を追求するのではなく、快適な家にする最適な組み合わせを選ぼうという心がけで、
家づくりをしていただきたいと思います。

次回は、断熱のもう一つの考えるべき事「断熱材」について、お伝えしていきます。

エコ住宅の他のポイントはこちらから

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