土地探し家づくり
土地探しで重要なこと(後編)
前回の振り返り
前回で、土地探しの大切な3つのポイントの1つ目をお伝えしました。
土地を探すには、不動産屋さんに行くよりも前に、総予算を算出するのが大切だということと、
その理由についてご理解いただけたと思います。
今回は残りの2つのポイントをお伝えしていきます。
2土地探しだけ集中せずに、建物も考えていく事
ポイント1でもお伝えしましたが、土地だけを必死で探す方の末路は、
焦って間取りを決めてしまったせいで、思い通りの家づくりができなかったという後悔です。
通常、いい土地を見つけると、
いい土地見つけた
↓
土地だけ先に購入
↓
ゆっくり間取りをつくる
↓
思い通りの家づくり♡
となるか、もしくは、
いい土地見つけた
↓
不動産屋さんに土地を取り置きしてもらう
↓
ゆっくり間取りをつくる
↓
思い通りの家づくり♡
という感じの家づくりになるだろうなぁと想像していることと思います。
でも実際はこうです。
いい土地見つけた
↓
不動産屋さんにめっちゃ急かされる
↓
ローン申請の為に間取りをつくる
↓
深く考える時間なく家が決まる
↓
後悔…
という結果が待っています。
実は、「いい土地見つけた→土地だけ先に購入→ゆっくり間取りをつくる」ができるのは、
土地を現金一括で購入できる方だけなのです。
不動産屋さんのお仕事
不動産屋さんは、売主さんから売ってほしいと依頼を受けた土地を、
買主さんに紹介して、いかに早く土地代金を支払ってもらう事が仕事です。
なぜなら、いろいろと土地の紹介などしたり、契約書を準備して説明したりしても、
土地代金を最後に支払ってもらうまでは、一切その商談にお金が発生しないからなのです。
時間をかければかけるほど、その行動は経営上赤字なので、
早く土地代金を支払ってもらおうとグイグイ売りますし、買うと決まれば思い切り急かしてきます。
ちなみに、不動産屋さんの利益は、基本的に土地代金ではありません。
土地代金は地主さん(売主さん)に全額いきます。
不動産屋さんの利益は、その商談で発生した売買代金×3%+6万円 これが不動産屋さんの利益で、
不動産仲介手数料というものです。
1,000万円の土地だとすると…
1,000万円×3%+6万円=36万円( +消費税)
しかも、このお金が受け取れるのは、先ほどから言う通り、商談が成立して土地の代金の金銭の授受が行われた時です。
何か月も商談のエスコートをしてようやく最後にお金をいただけるのです。
そう考えると、不動産屋さんが契約や住宅ローンの申請などなどを必死で急かすのも仕方がないのかなぁと感じます。
だからと言って、あなたは家づくりを妥協してはダメです。
だったらどうすれば身を守ることができるのか?
不動産屋さんに急かされても落ち着いて対応できるのか?
という解決策を考えなければなりません。
不動産屋さんに急かされても大丈夫な解決策!
前置きが長くなりましたが、その解決策というのが、土地を決めるよりも前に間取りをつくっておくということです。
これは、ガチガチの設計図面を土地が無い状態でつくってもらうことではありません。
なんとなく要望が取り入れられた変更可能なラフプランでいいと思います。
勘違いのないようにしてくださいね。
ここで間取りをつくった後に確認しておきたいのは、
自分たちが・・・
- どれくらいの大きさ(何m×何m)で、
- どれくらいの広さ(何坪)で、
- どちらの方角を向いてて、
- 駐車場や庭がどれくらいほしくて、
- どれくらいの建物価格なのか?
とい5つの項目です。
間取なんて、そんなの土地が見つかってからでしょ?
と突っ込まれそうですが、これ土地を決める前に考えてある方と無い方とでは、土地情報の見方が変わります。
例えば、①に記載した、何m×何m(以下「大きさ」と呼びます)かを出すには、具体的な部屋割りのイメージが必要です。
例をあげます…
一つ例をあげますね。
お子さんが2人のご家族で、子供部屋を南の日当たりの良いところに考えてあげたいなと思ったら、
子供部屋の幅を3mとするならば、3m+3mで少なくとも南に6mほしいわけです。
そうすると、敷地境界から東西に1mずつ離すとするならば、東の境界から1m、建物が6m、
西の境界まで1mという考え方になり、1m+6m+1m=8m となりますから、
すくなくとも南に幅が8m以上ある土地じゃないと希望する間取りにはならないということがわかるのです。
たったこれだけの事でも、①の大きさと③の方角がわかってきますよね。
子供部屋をたとえ話に出しましたが、これはLDKの暮らし方からのイメージでもそうですし、
最近、子育て世代の方に人気な、土間収納やタタミスペースなど、1階にほしいスペースが多くなればなるほど、
ある程度明確にしておかないと限られた土地スペースの中ですべてを満たすのは難しくなることもあります。
また、お庭が道路に面した方向にほしいのか、子供の飛び出しとかが心配だから道路に面していないところのがいいのかも、
建物を土地のどの位置に建てるかを考える際にとても重要です。
そして何よりも、建物の価格がざっくりでもわかっていなければ、
3つのポイントの最初にお伝えした「総予算-建物=土地」の式が成り立たなくなってしまいます。
いかがでしょうか?建物を先に考えることの重要性、わかっていただけましたでしょうか。
繰り返しくどくいってしまいますが、土地が無い状態で完璧な設計図をつくる必要はありませんから、
勘違いのないようお願いします。
3建築会社との相性を考える事
3つめとして、「建築会社との相性を考える」と言う事も大切です。
実際に土地ばかりを探していると、先ほども書きましたが不動産屋さんから良い土地が見つかった途端にグイグイ急かされます。
「いつ契約しますか?」
「住宅ローンはどこの銀行出されますか?」
「建築会社は決まっていますか?」
「いつ頃土地の支払いが完了できそうですか?」
などなど、常に急かされて、人によっては正確な判断力を失いがちです。
そうして急かされながらも、間取りをつくってもらってローン申請をするために建築会社を探すとことになるわけですが、
本当なら単に間取りを書いてもらうためではなく、後々の自分の家のメンテナンスなども含めて、
生涯、付き合っていきたいと信頼できる建築会社かどうかをしっかり選ぶ機会でなければいけないはずなのです。
しかも建築会社とは、土地を探して建物を計画して、実際に着工し、完成するまで、
何ヶ月もの期間一緒に完成を目指していくパートナーとなるのですから、
ご家族と担当者との相性、ご家族と会社との相性、ご家族と建てている家との相性、
いろんな相性が重要になってくるはずなのです。
ある人は「建築会社を決めると言う事は、家族と会社との結婚を意味する」そんなふうに例える方もいらっしゃいます。
そんな重要な相手を、土地が見つかってから焦って探していたのでは、はっきりって遅いと思います。
(例えるなら、結婚式場を先に決めて、結婚相手を急いで探すイメージです。)
しかも不動産屋さんに急かされながら探すのですから、焦りから正しい判断力を失っている場合もあるかもしれません。
土地のローンを通して土地を買うために建築会社を選ぶのではなく、
一生のパートナー選びとして建築会社を選べるようにしたいですね。
だったら、そんな選び方ができるように、先にどんな建物がいいかを一緒に考えながら、
建築会社との相性を確認していくことって重要だと思いませんか?
そのうえで、実は建てる会社を先に決めてしまっておくというのも、
実は家づくりにかなり有利だということもお伝えしておきますね。
建築会社が強い味方に…
土地にはそれぞれ地域によって細かく法律が分けられています。
市街化区域なのか市街化調整区域なのか、防火地域に属するのか準防火地域なのかそれとも制限がないのか、
こういう家を建てても良いが、こういう家は建てれないといった用途による制限、
高低差の激しい土地であれば擁壁が必要なのか必要ではないのか、
いろんなことで素人さんではわからないことがたくさん出てきます。
これは私が経験してきたことなのですが、不動産屋さんはその土地に、どんな家が建つかまでは考えずに土地の提案をしてくれます。
それもそのはずです。
間取りをはじめとして、どんな家が建つかなんていうのは、土地が決まってから考えるのが一般的です。
だからそこにどんな法律があるとか、あらかじめ重要事項説明書の説明以前に、
しっかりとした説明を加えてくれると言う事はほとんど聞いたことがありません。
買った土地の法律に合わせて、後付けで建てれる家を建てればいいじゃないか…そういった考え方の方が多く感じます。
と言う事は、最悪の場合、土地の形や価格などは整っていたとしても、法律の制限や、余計に土地に付随してくる費用のせいで、
思い描いている家が建つかどうかわからないこともあるということが言えるのです。
でも、あらかじめ建てたい家のイメージをかなえてくれる建築会社と出会い、パートナーとして決めておけば、
その建物が実際そこに建つのかどうかプロの建築家がアドバイスを必ず加えてくれます。
建築会社は、そこにお客様ご家族の思い描いている家を建てるのが仕事ですから、
それをかなえようと力になるのは当然のことなのです。
これってすごく安全だと思いませんか。
ですから、土地がないからといって、土地探しに奔走せずに、
まずは住宅会社の見学会やハウジングセンターに足を運んだり、
直接建築会社を訪ねて具体的に家づくりの話を聞いてみてはどうでしょうか。
いざ土地探しをするときに、自分たちの味方になってくれる建築会社だろうか?アドバイスを的確にくれるだろうか?
そういった見極める力と言うのも土地探しの段階で持っておくと、より目指している家づくりが叶う可能性が高まります。
まとめ
では前回の事も踏まえて、まとめます。
土地を探して家づくりをされる方は、土地ばかりを必死に探すのではなく、建物を並行して考えると言うことが大切です。
その際、重視しておかなければならないのが、
- 家族にとって将来不安のない予算(住宅ローンの額)を、一番最初に組み立てておくこと
- 自分たちが欲しい建物の大きさや広さ、方向などをあらかじめ計画しておくこと
- 建築会社を見極める力を養っておくこと
この3点を注意してこれからの家づくりに臨んでいただけたらと思います。
最後になりましたが、弊社ではこれから土地探しから家づくりを始められる方のお力になれるように、
- 予算のアドバイス
- 土地から先行した間取りの作成
を行っています。
他にも、家づくりで困ったことや不安なことを解消することを目的とした家づくり相談会を開催しています。
本当にまだ何をしていいかわからないから相談に行きたいという方も、
ぜひ相談会へお越しいただいて「何から始めていいかわからない」と私たちにお伝えください。
お問合せをお待ちしています。
もし家づくり相談会会へ行ってみたいと言う方は下記のリンクからご希望日時を申し込んでいただけたら幸いです。