2023.02.25
家づくり情報
エコ住宅豆知識

加湿器の種類と選び方

社長 伊藤明

こんにちは!

今日は最近ちょこちょこ仕事でもプライベートでも質問をいただく加湿器について、

すごく簡単に説明したいと思います。


現在、温熱シミュレーションソフトを使って、

断熱性能、換気、全館空調、給湯器のそれぞれの違いによって、

どんな光熱費の変化が起きるのか?

をシミュレーションしまくってまとめている最中です。


書く書く詐欺にならないようにしないとと思いつつ、

かなりの情報量でして、ブログにまとめるまでに時間がかかっておりますm(__)m

という言い訳をまずしまして、加湿器についてすごく簡単に説明しておきますね。

加湿器の種類

加湿器って、なんか機械からモヤモヤっと蒸気がでるもの

というイメージだと思いますが、

加湿器と言っても、数種類の加湿方式があります。

  1. 超音波式
  2. スチーム式
  3. 気化式
  4. ハイブリット式

の4種類あります。

この4種類の違いを簡単にお話ししていきます。

超音波式

超音波式というのは、

水に細かい振動を与えて霧状にしたものを吹出す方式です。

この超音波式は、小型でオシャレな雑貨屋さんなどにも売っていて、

かわいいデザインのものが多いです。

 

なので、お医者さんの診察室にあるような、

部屋にゴッツい「いかにも加湿器です」という機械が置いてあるというよりも

インテリア家具が蒸気を出しているというイメージになります。

また、ネットで検索しているとアロマなどにも対応しているので、

いろんな楽しみ方で加湿器を使いたいという方にはおススメです。


ただ、この超音波式は、

きちんとお掃除をこまめにする前提でないと、

雑菌などをそのまま空気中に出してしまうおそれがあるということで、

危険視されているという方もいらっしゃいます。

なので、オシャレをするのには手間がかかるという、

服装などのファッションと感じ感じです(笑)


それと、小型なものが多いので、タンクのお水が早くなくなりがちです。

給水をこまめにしないといけないので、

2階のお部屋などで使用される際には2階に水道の設備がないと、

いちいち1階まで下りてきて給水することとなりますから

注意が必要です。

スチーム式

スチーム式は加湿力が最も高いと言われています。

というのも、スチームというように加湿器の中で水を沸騰させて

その蒸気で加湿する方式です。

温かい空気はたくさんの水蒸気を含ませることができるということから、

このスチームにして加湿する方式が加湿力が高いのもうなづけます。

また、超音波式の時に、

「こまめにお掃除しないと雑菌を空気中に放出してしまう」

という懸念点がありましたが、

これも沸騰させて煮沸しているということになるので心配がありません。

(心配ゼロということではないと思いますが…)


ただし、熱で沸騰させるということから他の加湿器よりも電気代は高くなるかと思います。

また、器内で沸騰をつくりだすので転倒などでの沸騰したお湯がこぼれてしまう心配はついてきますから、

設置場所はお子さんの手の届かない場所を選ばないと危険性があります。

気化式

気化式というのは、

器内で湿らせた繊維系のフィルターに風を当てて、

湿った空気を空気中に送り出す仕組みの加湿器です。


風を送るためにモーターを回しているだけなので電気代も安いです。

イメージとしては、洗濯物のタオルを室内干しをして、

そこに扇風機で風を当てているような感じです。


ただし、これは使っている方からも聞いた話しですが、

モーター音がちょっと大きくて気になるというお声が実際にありました。

また、フィルター交換がまめに必要なものもあれば、10年不要というものもあるみたいですから、

その辺りのメンテナンスは各製品の特長として先に調べておいたほうが良いでしょう。

ハイブリット式

ハイブリットというのは、

何かと何かを合わせたという意味ですので、

ある加湿器の機能と他のある加湿器の機能を

を合わせたような感じということになります。


そのある加湿器というのがスチーム式と気化式です。

気化式のように、フィルターを湿らせたものに、

ヒーターで温めた温風を送って加湿する仕組みです。


スチーム式の時にご説明したように、空気は暖かい方が水蒸気を多く含むことができるので、

水蒸気を部屋の中の遠くまで送る事ができる加湿器となります。


デメリットとしては、

ハイブリットといこともあって本体代金は高額です。

また、気化式と比べるとヒーターで風を温める分、電気代はどうしても高くなっていくと考えられます。

結局どれがいいの?

加湿器を4種類ご紹介してきましたが、

「では一体どれがいいの?」ということになってきますよね。


私はお財布事情も含め、安全性、清潔・健康であることを考えると、

気化式が一番適しているのではないかなぁと思います。


私の先生、兵庫県の松尾先生も

Panasonicの気化式の加湿器をおススメしておられました。

ただ、先ほども上にも書きましたが、

実際に使用された方からモーター音がすこし気になるという声も聞いたことがありますから、

設置する位置は考えないといけないかもしれません。


また、電気代や器具代がいくらでも…という方でしたら、

ハイブリット式もいいかもしれませんね。


超音波式をつかうという方は、日々の清掃を頑張ってやりつづけられるか?

がポイントになってくるかと思います。

また、特徴でも書きましたが私の自宅も超音波式で、

どうしても給水のタンク容量が小さいため、

こまめな給水を経験してみると面倒だなぁと思ってしまいます(-_-;)

その辺りの手間を知ったうえで著音波式は購入していただきたいと思います。


また超音波式は、仕事や勉強時にデスクに置いておいて

個人的にデスク周辺を加湿するという使い方もあるようなので、

用途次第ではおススメできますね。

高気密高断熱なら加湿器はほしいです

さて、私たちがおススメしている高気密高断熱の家で暮らすという事なら、

正直なところ、加湿器は欲しいと思います。

というのは冬場は乾燥しているので、人の手で加湿をしてあげなければならないんですね。


よく外の湿度を湿度計などを見て確認すると、60%~80%くらいにも表記されることがありますが、

「%」で表す「相対湿度」は実は気温が上昇すると、「%」の数値が下がります。

難しい話になるといけないので、これだけ覚えて欲しいのですが、

「湿度〇〇%は、温度が低いと数値が上がって、温度が高いと数値が下がる」と

単純に覚えていただきたいです。


これは暖かい空気の方が空気の中にたくさん水蒸気を含むことができるという事を示しています。

ですから、外気温5℃で湿度80%だったとしても、

その空気が室内に入ってきて20℃くらいに温められたら湿度は20%になります。

え?そんなことあるの???

と思われるかもしれませんが実際そうなります。

なので、私は天気予報の湿度に対して、「何時で外気温が何度の時のパーセントなの?」と

マニアックな疑問を日々抱いています(笑)


※もしも詳しく調べたいという方はGoogleなどの検索で「湿り空気線図」というものを調べていただいて、説明文を読んでみて下さい。


昔の低気密低断熱住宅は、室内は断熱も気密もスカスカでした。

ですからコタツの中や、ストーブの前というところだけが暖かくて、

室内の温度自体はそれほど高くなく、相対湿度もそこそこに保てていました。

しかも、ストーブの上でヤカンでお湯を沸かすという加湿も行わせていたので、

乾燥感もそれほど当時の方々は感じなかったのではないかなぁと思います。

私の実家も建て替える前は、ストーブの前を兄弟で取り合いしたものですし、

ストーブの上でヤカンが蒸気を出していました。


それに対して、高気密高断熱住宅はコタツの中やストーブの前などの局所的に温めるのではなく、

部屋の温度全体を高く保つので、何も加湿などしないと相対湿度は30%前後になります。

ですから、加湿はできる限り行っていただきたいと思っています。

コスパ最強の加湿器とは?

最後に半分冗談みたいな話をしますが、コスパ最強の加湿器は洗濯物の部屋干しです。

洗濯仕立てで清潔ですし水分を含んだ布を部屋に干しておくと、

必然的に洗濯物が乾こうとして、空気中に水分を放出します。

そこにサーキュレーターなどで風を送ればそれはそのまま気化式の加湿器と言ってもいいでしょう(笑)


ただし、人によっては見てくれ最悪と思う方もいらっしゃると思うので

半分冗談という書き方にさせていただきました(笑)


高気密高断熱住宅に住むという事であれば、温度だけでなく、湿度の面も気にしてご検討いただけると良いかと思います。


今日も読んでいただきありがとうございました。